最近はビジネスでのIT化やDX化推進のニュースをよく聞きます。
税理士業界でも、会計周りのIT化はどんどん進んでいます。クラウド会計などは分かりやすい事例ですね。
一方で、中小企業やスモールビジネスでは、IT化の情報が末端まで届いているかと言われると疑問符がつく印象です。
積極的に最新の情報を取りにいく会社は別として、通常は会計事務所ないしソフトメーカーからの情報提供で知識がアップデートされるのが通常ではないでしょうか。
そのため、最近の情報が届いていない会社や、経理業務・バックオフィス業務の仕事手順が何年も変わっていない会社は、IT化を推進することによって、その恩恵を大いに受けられる可能性があります。
まずは、会計周りで身近にできるところからIT化を推進するのもおススメです。
会計周りのIT活用
1. 紙の通帳からデジタル通帳へ
導入する狙い
紙の通帳だと、取引内容を確認するためにその都度銀行やATMで記帳業務が必要です。
デジタル通帳に移行することで、銀行へ行く時間の削減、振込手続きの簡素化を目指します。
デジタル通帳のメリット
- 銀行に行っての通帳記帳の手間がなくなる
- パソコンやスマホがあれば、いつでも残高を確認できる
- 銀行窓口やATMでの振込依頼がネットで出来る(※1)
- 公共料金や納税もネット上で出来る(※1)
- 会計ソフトと連携できるため、経理業務の負担が減る
※1 ネットバンキングを利用する場合、別途費用が発生することがあります。
クラウド会計との連携
デジタル通帳とクラウド会計を連携すると、通帳データを自動で取り込み、自動仕訳機能で入力の手間が削減されます。
今まで、取引ごとに1件ずつ手入力していたのは何だったんだろうと思ってしまいます。
経理時間、労務コストともに削減できます。
2. 手書き・エクセル請求書からクラウド請求書へ
導入する狙い
2023年10月からインボイス制度が始まります。また2024年1月からは電子帳簿保存法が義務化されます。
インボイス発行事業者であれば、請求書のひな型を変更しなければなりません。
法改正に対応しつつ、請求書周りの業務負担軽減を目指します。
(請求書ソフトは、買取型とクラウド型がありますが、他との連携のし易さからクラウド型をおススメしています。)
クラウド請求書のメリット
- インボイス制度、電子帳簿保存法に対応した請求書が作成できる
- 見積書、請求書発行、入金消込までの一連の流れをまとめて管理できる
- 請求書発行方法は、郵送・メール・代行送信が選択でき、会社の状況に応じて使い分け出来る
- 請求書をデータ管理すれば、書類量が減る
- 会計ソフトと連携できるため、経理業務の負担が減る
クラウド会計との連携
クラウド請求書とクラウド会計を連携することができます。
連携ボタンを押すと、自動的に仕訳が計上され、あとは確認作業のみでOKです。
3.メカレジからタブレット型POSレジへ
導入する狙い
小売業では、メカレジ(物理ボタンを押して、ガシャンと音がなるヤツです)を利用しているところもあるかと思います。
こちらもインボイス発行事業者では、インボイス対応のレシート等が必要になります。
また、タブレット型POSレジを導入することで、顧客管理や売上管理を効率的に行うことを目指します。
タブレット型POSレジ導入のメリット
- インボイス対応レジとして比較的安価に導入できる
- 顧客管理、売上管理、在庫管理などができる
- 売上データなどを、リアルタイムで把握できる
- レジチェックが楽になる
- 会計ソフトと連携できるため、経理業務の負担が減る
クラウド会計との連携
現金商売をされている所では、日々のレジチェックは必須事項です。
メカレジでは、レジロールを集計して売上合計を計算しますが、この作業から解放されます。
売上情報もクラウド会計と連携することで、自動的に仕訳計上されます。
4.クラウド型オンラインストレージ Dropboxの利用
導入する狙い
クラウド型のデータ管理ソフトにはDropbox、Googleドライブ、OneDriveなどがあります。
クラウド型を利用することで、ネット環境があればどこでもファイルやデータを閲覧・編集できます。
場所を選ばず仕事ができる環境、複数人での共同作業を行い易い環境構築を目指します。
(私はDropboxの使い勝手が好きなため、Dropboxを例に書きます)
Dropboxのメリット
- インターネットにつながる環境にあれば、どこでもデータを閲覧・編集できる
- バックアップ機能があるため、もしもの時のデータバックアップとして使える
- 複数人でのファイル共有が簡単にできる
- 削除したファイルも復元可能(一定の条件あり)
- USBでのデータやり取りがなくなる
会計周りの連携
ここでは、複数人で利用する場合を想定しています。
会社と会計事務所との間では、請求書や領収書の確認を共有フォルダーを利用して行えます。
社内スタッフ間では、USBやメールで行っていたデータやり取りが、Dropboxで簡単にできます。
5.スキャナの利用
導入する狙い
スキャナにも大から小まであります。
正直、私も自分で使ってみるまでは、スキャナの必要性はあるのかなと思っていました。
いざ利用すると、書類整理にすごく便利です。(小型機はScanSnap ix100がおススメです)
請求書関係のデジタル保存にも使えます。
作業日報、業務日報のように毎日大量に発生するものをデジタル保存することで、整理整頓の向上を目指します。
スキャナ(ScanSnap ix100)のメリット
- 持ち運びできるサイズ。バッテリー駆動でどこでも利用できる
- Wi-Fi接続でケーブル不要
- なんといっても、手軽・簡単にスキャンできる
- 領収書などの小さなものでも読込可能
- 想像よりずっと早い読込速度
- 領収書整理が苦手な方でも、ルールを決めてフォルダーに収納すれば整理できる
会計周りの連携
領収書、請求書を手軽にさっとスキャンできます。
さらにDropboxと併用すると、スキャンしたものをそのままクラウドデータで保存できます。
こちらは実際の動画を見た方がわかりやすいので、↓↓↓にリンクを貼付けています。
まとめ
スモールビジネスのIT活用ということで、簡単に始めることができるものを書きました。
IT活用といっても、私が使ってみた感想ではそこまでハードルは高くないと思います。
ちょっと試してみようかぐらいの気持ちで、使えそうなものから始めてみることをおススメします。
価格も無料で使えるものや、お試しで使えるものもあります。
今のお仕事が少しでも楽になれば幸いです。