話し上手より聴き上手。「きく」ことの大切さについて。

最近のブックランキングで「人は話し方が9割(永松茂久著)」の本が売れ続けているというニュースを聞きました。

本のタイトルでは「話し方」が主役になっていますが、実際は「聴き方」の大切さを説いている本だと思います。

さて、今回はタイトルの通り「聴く」ことに焦点をあわせて日常で感じた「聴く」ことの重要性や普段感じていることを綴っています。

聞く」と「聴く」

「きく」という字には、「聞く」と「聴く」の漢字があります。「きく」を辞書で調べると、

聞く・・・音や声が物理的に耳に入ってくる

聴く・・・能動的に興味をもって話をきく

テレビやラジオをきいているときは「聞く」。

積極的にコミュニケーションをとっているときは「聴く」という状態(になった方がいい)だと思います。

さて、冒頭で紹介した本もそうですが、コミュニケーション上手になるためには「話上手より聴き上手」ということが良く言われます。

それでは、聴き上手とはどういうことでしょうか?

聴き上手になる5つの聴き方

私の好きな経営者の方がおっしゃっていた話です。話上手にもランクがあると。

話上手より上なのが、聴き上手。聴き上手よりさらに上なのが、話させ上手、だと。

人は誰でも自分の話をきいて欲しいものです。自分の話を真剣に聴いてくれる人に好意をいだきます。

聴き方について経営心理士協会の藤田耕司氏が次のように説明されています。

聴き上手になる5つの聴き方

  • 相手に共感し、共感を表現する
  • 相づちを打ち、ペースを相手に合わせる
  • 相手の言葉を最後までさえぎらない
  • 大事な点を要約して聞き返す
  • 体を相手に向け、目を見て手を止める

5つの項目を読むと、聴き方の姿勢として大事だなとすごく納得できますが、いざ実行できているかというとこれが難しい。

どうしても、自分の考えを話したくなりますし、忙しいときには、早く要点を知りたかったり、ながら聞きになってしまうことも。

聴き上手になるためには、ちゃんと相手と向き合い、自分の話したいという欲求を抑えることが必要です。

なお、上記の5つの聴き方は普段から心がけていれば実践できるものばかりです。

人の話をきくときには、思い出すようにしたいものです(改めて自分にも言い聞かせています)。

ちなみに、この記事を書きながら過去に感じた寂しいきき方を思い出してみました。

・部下が上司に報告をしている場面、上司がパソコン操作をしながら話をきいている。

・上司に相談していると、途中で話を止められ自分の意見を押し付けている。

・頭の回転が速い人が、話の結論を先回りして言ったり、自分の優位性を示す発言をする。

私が経験したものもあれば、その場面を目撃したものもありますが、「聴き上手」の大切さを学んだあとは、もっと上手く聴いてあげれないかなと思ったものです。

ところで、冒頭紹介した「人は話し方が9割」では、「4D」というキーワードが出てきます。

「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の頭文字をとったものです。

これらはネガティブワードで、たしかに会話中にこれら「4D」が頻繁に出てくると、会話を否定されている気分になりますね。

こちらも会話のなかで意識して使わないように気を付けたいものです。

相手に関心を持つ

上手な聴き方は、相づちをうったり、要約して聞き返すなど、少しテクニカルな面もあります。

そういったテクニカルな面も大切ですが、その土台としてもっと大事なものがあります。

それが相手に関心を持つことです。

ことわざに「目は口ほどに物をいう」とあります。

口では肯定的なことを話していても、目や態度は違うことを示している場合です。

相手の話に関心がない場合は表情に現れます。

相手の話に関心を持って話を聴くことが、「聴き上手」では極めて重要です。

また、人材を育てる面でも「聴く」ことは大事です。

人は自分の話を聴いてくれない人、関心を持ってくれない人に信頼を覚えることは難しいでしょう。

相手に関心を持ち、聴き上手になることで、部下や後輩との信頼関係も築かれます。

決して、部下の話を途中でさえぎったり、話し終わらないのに結論を出すのはやめた方がいいでしょう。

最後に、現在大河ドラマでも放送されている戦国武将徳川家康の言葉から。

愚かなことを言う者があっても、最後まで聴いてやらねばならない。でなければ、聴くに値することを言う者までもが、発言をしなくなる。」

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