デジタルEXPO熊本に参加してきました。
主に税理士業界や会計業務に携わっている方を対象としたもので、デジタルの冠がついている通り、税理士業務のICT化推進やDXの最新情報を発信する内容とのこと。
DX化に向けた最新の業界情報や各会計ベンダーの展示がどのようなものか、わくわくな気持ちを抱えていざ熊本へ。
会場内は、たくさんの人が居て遠くは本州からも来場されていたそうです。
展示会の内容はというと、展示会場での各ベンダーの商品紹介ブースとセミナーの二本立てとなっていました。
展示会会場
こちらは全33社が出展。
TKC、ミロク情報サービス、弥生会計、クラウド会計のマネーフォワードやフリーなど多くの会計ソフトメーカーが出展されていました。
主催者側の話では、例年より「会計ソフトメーカー」以外が増えたそうです。「DX」や「会計業界にもAIを」の時流のなかで異業種や新規メーカーの参入が増えているのでしょう。
展示ブースの内容では「AI-OCR」のデモ紹介を至る所で見かけました。
AI-OCRはスキャナを活用して領収書などを読み込み、その画像データから会計仕訳を作成するものです。
スキャンする手間はありますが、その後の面倒な手入力仕訳を省けるとの声もあれば、領収書をスキャンする時間があれば、直接仕訳入力をした方が早いのではという意見もあったりします。
私個人としては、その企業の経理レベルや導入コストなども考えて経理業務が楽になれば導入もありかなと考えています。
それと、AI-OCRの導入を検討する際は、経理業務全体の最適化やクラウド会計の活用も検討したいところです。
他にも出版会社の「税務・会計データベース」のデモンストレーションなどもありました。
書籍データをデジタル化したもので、調べものをするときには便利です。
検索キーワードを入れると網羅的に表示され、リサーチ時間が短縮されることは大きなメリットだと感じます。
紙の書籍も好きなのですが、デジタルの長所もうまく活用できればと思います。
余談ですが、各ブースを回っていると、とにかくパンフレットの配布が多かったです。
デジタルEXPOなんだから、もっと紙を減らして欲しかったなという感想です・・・。
セミナー会場
セミナーは全3部構成で行われました。
今回のデジタルEXPOの一番の目的はこのセミナーを聞くことでした。
セミナーでは税務や会計の仕事はデジタル化でどのように変化していくのか。国が目指す税務行政の将来像はどのようなものか。そのような話が聞けました。
特に「デジタルインボイス」の話は大変興味深いものでした。
(消費税制度やインボイス制度を担当されたデジタル庁の方もパネリストとして参加)
「デジタルインボイス」とは、請求情報を、売り手のシステムから、買い手ののシステムに対し、人を介することなく、直接データ連携し、自動処理される仕組みです(デジタル庁より)。
デジタルインボイスの導入で、経理業務のデジタル化が進み業務プロセスの改善が期待できます。
似た言葉で「電子インボイス」があります。こちらは、電子化されたインボイス(請求書)のことです。経理業務では紙の請求書をPDFなどの電子データに変換し、メール添付などで送信している作業です。
電子インボイスは、半分アナログ・半分デジタルとの印象でしょうか。デジタルインボイスになると全てデジタルという感じです。
海外ではデジタルインボイスが普及しているそうで、日本でも近い将来デジタルインボイスに切り替わっていくことが予想されます。
アナログに慣れている方は環境を変えることは大変かもしれませんが、デジタルインボイスも含めてバックオフィス業務の負担軽減にはデジタルの活用は大事だなと思います。
その他にも、税務署での「デジタル」活用事例の話や、企業でのセキュリティ対策の話など普段は聞けないような興味深い話がたくさんありました。
まとめ
アナログにはアナログの、デジタルにはデジタルの良さがあります。
デジタルを活用すれば、いままでの作業は何だったんだろうと思えるものもあります。
目的と手段でいえば、税理士業務の効率化やバックオフィス業務の負担軽減が目的です。
その手段の一つとしてデジタルの活用があるかと思います。
今回は、税理士業界のデジタル化の話や行政サイドの話が聞けて大変有意義な時間でした。