我が町の人口統計と将来の事業計画
先日私が住む鹿児島県枕崎市の広報誌を見てたら、市の人口が19,805人となっていました(令和4年4月1日現在)。
私の中ではまだ22,000人くらいの記憶でいましたが、いつの間にか2万人をきっていると知り少しショックを受けたところです。
と、今回は単に人口が減少しているなという話ではありません。我が町同様、地方の市町村は程度の差はあれ「人口減少と少子高齢化が進んでいる」という現実と「会社の将来計画」との話です。
今後の企業経営は、人口減少が作り出す市場規模や経営環境を前提として考える必要があると思います。
今回は枕崎市のケースを参考に、人口減少や高齢化の環境でどのような経営を行っていくかを考えていきます。
人口推移と将来への影響は?
枕崎市の人口推移は?
冒頭で述べましたが、枕崎市の人口は令和2年10月1日時点で19,944人となっています。そして人口動態では平成28年から令和元年までの平均値で403.5人の減少となっています。単純計算ですが5年間で約2,000人の減少となる計算です。数字としてみると改めて人口減少を実感します。
(枕崎の統計令和2年刊行)https://www.city.makurazaki.lg.jp/soshiki/kikaku/194.html
(枕崎市の人口ビジョン令和2年改訂版)https://www.city.makurazaki.lg.jp/soshiki/kikaku/211.html
近隣市町村の人口推移は?
枕崎市は鹿児島県の薩摩半島(鹿児島県の地図をイメージして左半分)の南端に位置しています。枕崎市単体では上記の統計でしたが近隣の市町村も含めて経済活動が行われているため、南薩地域の統計をみると・・・
(出典、令和2年国勢調査 人口等基本集計結果 南さつま市総務企画部 作成より一部抜粋)
南さつま市、指宿市、南九州市ともに人口減少の傾向と65歳以上の老年人口割合は似たような数字となっています。
将来の人口統計から考えること
現在でも特に地方の企業は、人材不足を実感されていると思います。売り手市場で求人を出して面接をする以前に、そもそも求人募集の連絡さえ来ないという声も聞きます。(一定の求職者はいるけど、自社に応募(魅力)がないのか。そもそも求職者がいないのかの論点はここでは置いておきます。)
経営者は5年後10年後の将来の事業計画を考えるのが仕事です。その前提に、自社の市場環境や人口動態の調査は必須になります。
例えば、子供の人口が減れば学習塾にはマイナスとなるでしょう。一方、高齢者で時間にゆとりのある人は、新しい学びにチャレンジしたいと考える人も出てくるかもしれません。
そのため、人口減少や高齢化社会が加速することのプラスの面やマイナスの面を一度紙に書きだし、整理してみてはいかがでしょうか。将来について考えることも必要だと思います。
下記は、横軸を人口推移で縦軸を自社環境や業界で図にしてものです。図を見ながら思いつくことを書いてみると・・・
自社の環境と人口推移で考えると・・・
- 人材不足で外国人実習生が増える?
- 「良い人材を採用する」から「自社で良い人材を育てる」にシフトする?
- 経理業務のDX化推進して、3人体制から2人体制へ変更する?
- 市場規模が縮小するので、扱う商品を変える?
- 対面販売が主体だったが、ネット営業を活用する?
業界と人口推移で考えると・・・
- 地元の農業の担い手は減る。市外からの参入が増える?
- 大規模農家、異業種参入が増える?
- 建設業の公共工事予算は削減される?
- 飲食店に来店する絶対数は減少する、となるとどうなる?
などなど、いろいろな考えが浮かんでくると思います。
まとめ
今回は、枕崎市の人口統計から将来の事業計画について考えてみました。もっと細かく分析する場合は、生産年齢人口や、男女比率、その他自社に必要なデータを引っ張てきます。
人口減少と高齢化社会は思っている以上に急速に迫ってきています。
マーケティング活動や企業の将来計画を考えるうえでも、人口動態の把握は必須です。人口減少は自社ではコントロールできませんが、その対応についてはコントロール可能です。事業計画を考える際は一度ご検討されてはいかがでしょうか。